「抱返り渓谷(だきがえりけいこく)」は角館から田沢湖に向かう途中にある渓谷です。
田沢湖と同じで、渓流を流れる川が驚くほど青色に見える時もあります。
紅葉の名所として有名ですが、私は新緑の頃も好きなので、春になったら散策に向かいます。
途中にある洞窟のようなトンネルと橋がお気に入り。
さらに渓谷の先にある「回顧の滝（みかえりのたき）」は繊細ながらもダイナミックさを備えた美しい滝です。
駐車場から続く遊歩道を進むと、秋田県内では最も古い吊り橋と言われる「神の岩橋」と呼ばれる赤い橋が見えてきます。
この橋の上からの眺めも素晴らしいですよ。橋を渡った先にはトイレと休憩できる広場があります。
太田町の方から来ると、橋を渡った先の別の駐車場にたどり着くことができます。
橋までの遊歩道もそこそこ距離があるので、高齢者の方はこちらに駐車した方が良いかもしれませんね。
ちなみに紅葉の時期に限り、駐車場が有料になります。
「抱返り渓谷」の散策コースは、その昔「生保内森林軌道」という秋田杉を搬出する手押し軌道の廃線跡が整備されたものだそうです。
紅葉の時期、この散策コースでは「回顧の滝」にたどり着くまで、見事な紅葉が続きます。
同じ場所の新緑の季節です。
当サイトでは基本的に写真の加工はしていませんが、ここの水はいつ来ても鮮やかなエメラルドグリーンの色をしています・・・
(レンズに不要な光の反射を除去する偏光フィルターを使っているので、普通より色鮮やかには映っていますが、肉眼で見てもこんな感じです)
田沢湖や玉川水系の水の青さは、青い光がアルミニウムで散乱されるためらしいのですが、抱返り渓谷の水はそれに加えて、光が水中を通り抜ける際、周囲や水底の白い岩(凝灰岩)に反射する間に、赤に近い光が全て水に吸収されてしまうために、このような神秘的な色になるのだそうです。
雪解けの頃、散策路の途中には岩肌を流れる小さい滝や、湧水も数多く見ることもできます。
秋には何処までも続く紅葉と、新緑の頃には萌える山。
見渡す限り樹々の中で森林浴ができ、そして足元にはエメラルドグリーンの渓流。
「抱返り渓谷」は散策しているだけで、美しい四季の自然を肌に感じて癒されますよ。
「抱返り渓谷」のハイライト「回顧の滝」の手前には洞窟のようなトンネルと橋が待ち構えています。
サービス精神旺盛で、最後まで楽しませてくれますね。
この橋から覗く渓流も素晴らしい眺めです。切り立った白い岩に絡まるツタ、そして不思議な色の水の流れが、現実離れした雰囲気を醸し出します。
トンネルの中には小さい明かりが灯され、これもまた気分を盛り上げてくれます。さぁ、この後は「回顧の滝」との対面です。
「回顧の滝」は落差30メートルほどの小さめの滝ですが、何度も振り返って見たくなるほど美しい姿形をした滝です。
薄暗い周りの雰囲気とも相まって、神秘的な感じもしますね。
回顧の滝までの所要時間は神の岩橋の先の入り口から20分～30分ほど。
遊歩道は平坦な道のりなので、お年寄りや子供でも苦労せずに踏破できると思います。
秋田県でも有数の絶景ポイント「抱返り渓谷」、ぜひ訪れてみて下さい。