秋田で ASOBO (あそぼ)

増田の街並み

増田町は江戸時代以前より県内有数の商業地として賑わい、その文化的な価値の高さから、秋田県では角館の武家屋敷に次いで二番目に平成25年に国の「重要伝統的建造物群保存地区」(重伝建地区)に選定されました。

明治中期までは、家の奥にある内蔵などの豪華な施設に比べて、その表構えは質素で奥ゆかしい町並みのため「ホタル町」と呼ばれていたそうですが、明治の商業発展からは大型の町屋が立ち並び、その繁栄の面影と伝統的な建造物を現在にも伝えています。

最も有名なのが、家屋の中に作られた蔵「内蔵」(うちぐら)で、当初は物品を収納するための「文庫蔵」が多かったのですが、明治に入り街が商業地として繁栄するにつれて居室や冠婚葬祭に利用される絢爛な「座敷蔵」に変わっていったと言われています。

増田町は内蔵だけでなく、歴史を感じる事のできる街並みも魅力の一つで、表通りの商家もさる事ながら、裏通りや何気ない小径や水路にも、歴史への想いを馳せることができます。

毎月2・5・9のつく日に行われる「増田の朝市」は江戸時代から約360年も続く伝統の朝市で、近くの農家や商店が旬の食材や自家製の商品などを手ごろな価格で提供しているために、今でも開催される日には早朝から多くの買い物客で賑わいます。
朝市はフリーマーケットのようなやり取りが楽しいので、若い方でも馴染みやすいと思います。

そして観光の目玉となる商家の建物と内蔵ですが、内蔵は外部の人間の目に触れる機会があまりない神秘のベールに包まれたものでした。
実際に増田町が重伝建地区に認定され、観光地として知られるようになるまで、私のように近隣に住んでいる者でさえ、詳細は分かりませんでした。

現存する内蔵の多くは、実際に住人の居室になっていたり公開されていないものもありますが、観光地化に伴い見学可能な場所も増えてきています。
中でも観光物産センター「蔵の駅」や「まちの駅福蔵」は無料で内蔵を公開して下さっているので、見学しやすいと思います。

各内蔵では住民の方や観光協会の方がガイドして下さるのですが、その説明もなかなか興味深いもので、実際に内蔵の中で見聞きしていると増田の歴史の重みを感じる事ができます。

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